7.慢性炎症による活性酸素ダメージ
関節リウマチでは、種々の条件により免疫の過剰な反応が誘発され、自己免疫反応が起こり、その結果、慢性的な炎症が起きている状態です。
慢性的な炎症は活性酸素を発生させ、活性酸素ダメージを引き起こします。
これは体内の生理的反応を傷害し、組織の修復に大きなダメージを与え、組織障害を引き起こします。
酸化した(錆びた)タン白質は機能を損ない、本来の働きを失ってしまうばかりか、変性したタン白質が次の自己免疫反応のターゲットとなり、さらに炎症が進むという悪循環におちいります。
実際に関節リウマチの患者様では、データ上非常に強い酸化ストレスにさらされている方がほとんどです。
活性酸素とはまわりを錆びさせてしまう「悪い」酸素のことです。
自己免疫であろうと細菌感染であろうと、炎症が起こるということは、そこで「火事」が起きているのと同じことです。
火事が起こると、そこには「煙(けむり)」が発生します。
よく火事のときに、実際に火にあたらなくても、煙を吸って重体になられる方がいらっしゃいますが、そのくらい煙というのは危険なものなのです。
活性酸素というのは、その「煙」にあたります。
炎症が起きているときにはかならず活性酸素が発生すると思ってください。
活性酸素は、正常な組織や様々な重要な機能(酵素反応や免疫活動など)を行っているタン白質を酸化させることで変性させ、正常に働かせなくしてしまいます。
たとえば酸化されたアルブミンはアルブミンとしての機能を果たせなくなり、その結果、薬剤や栄養素の効果の減弱や、薬剤の副作用が強くあらわれる、などの問題が起こります。
そればかりか酸化されたタン白質は、それ自体が非自己とみなされ、自己免疫のターゲットとなります。そしてさらに炎症が進みます。
これはまさに「酸化のドミノ倒し」ともいえる、非常によくない悪循環です。
関節リウマチの治療を行うには、分子整合栄養医学にもとづいて関節の修復と機能回復のための栄養素を十分に補給することと、ホルモン補給などの他の原因に応じた対策をとること、そして活性酸素ダメージに対する対処が非常に必要です。
活性酸素ダメージに対する対策、すなわち「抗酸化」対策も、栄養療法の一環となります。
一般的な抗酸化物質には以下のものがあります
・ βカロテン(ビタミンA)
・ ビタミンC
・ ビタミンE
・ セレニウム
・ αリポ酸
・ CoQ10
などです。
これらの抗酸化物質を至適量(適した量)摂取していくことが重要です。
なかでも、「高濃度ビタミンC点滴療法」は、関節リウマチの治療において比較的短期間で効果が現れやすい治療法のひとつといえるでしょう。
活性酸素ダメージが強い場合、ビタミンCの内服のみでは活性酸素の消去がなかなか追いつかない場合が多いですが、点滴で大量に(1回25~100グラム)投与することで、血中の活性酸素を一時的にほぼゼロの状態にすることができます。
しかしビタミンC自体はすぐに血液中から消えてしまうので、効果を期待するためには週1~2回の点滴をある程度継続的に行うことがすすめられます。
栄養療法とビタミンC点滴療法を併用して、10だったCRPが約2ヶ月で5まで低下し、痛みがほとんどなくなった患者さんもいらっしゃいます。
高濃度ビタミンC点滴療法は、現在がんの代替療法として注目を浴びていますが、非常に安全性が高いことが確認されています。
この場合点滴だけでなく、内服での栄養療法をしっかり行うことが重要であることはいうまでもありません。
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